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O Fortuna ("Carmina Burana")
「ああ、運命の女神よ」
(オルフ「カルミナ・ブラーナ」より)
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[ラテン語原詩]
O Fortuna
velut luna
statu variabilis,
semper crescis
aut decrescis;
vita detestabilis
nunc obdurat
et tunc curat
ludo mentis aciem,
egestatem,
potestatem
dissolvit ut glaciem.
Sors immanis
et inanis,
rota tu volubilis,
status malus,
vana salus
semper dissolubilis,
obumbrata
et velata
michi quoque niteris;
nunc per ludum
dorsum nudum
fero tui sceleris.
Sors salutis
et virtutis
michi nunc contraria,
est affectus
et defectus
semper in angaria.
Hac in hora
sine mora
corde pulsum tangite;
quod per sortem
sternit fortem,
mecum omnes plangite!
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[英語訳詞]
O Fortune,
you are changeable,
like the moon
ever waxing
and waning;
hateful life
first oppresses
and then soothes
as fancy takes it;
poverty
and power
it melts them like ice.
Fate - monstrous
and empty,
you whirling wheel,
you are malevolent,
well-being is vain
and always fades to nothing,
shadowed
and veiled
you plague me too;
now through the game
I bring my bare back
to your villainy.
Fate is against me
in health
and virtue,
driven on
and weighted down,
always enslaved.
So at this hour
without delay
pluck the vibrating strings;
since Fate
strikes down the string man,
everyone weep with me!
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O, Fortuna
O Fortuna
ああ、運命の女神
velut luna
月のように
statu variabilis,
姿を変えて
semper crescis
満ちると思えば
aut decrescis;
か細く消えゆく
vita detestabilis
苦しみに満ちた人生は
nunc obdurat
はじめはつれなく
et tunc curat
やがて心くすぐり
ludo mentis aciem,
幻惑の園にいざない
egestatem,
貧しさも
potestatem
権力も
dissolvit ut glaciem.
氷のように溶かし去る
Sors immanis
恐ろしい運命よ
et inanis,
空虚よ
rota tu volubilis,
巡る車輪の轍(わだち)に
status malus,
災厄は満ち
vana salus
幸福は掻き消え
semper dissolubilis,
すべては虚無に帰す
obumbrata
陰り
et velata
ヴェールに隠れ
michi quoque niteris;
疫病のように
nunc per ludum
その誘いは
dorsum nudum
力ない裸体を
fero tui sceleris.
悪業でくるみ込む
Sors salutis
すこやかな生命も
et virtutis
美徳も消え果てた
michi nunc contraria,
餌食となった私は
est affectus
愛欲も
et defectus
放蕩も
semper in angaria.
おまえの命ずるまま
Hac in hora
ならば
sine mora
時は今
corde pulsum tangite;
震える弦 掻き鳴らし
quod per sortem
運命に引き裂かれる
sternit fortem,
その日を思い
mecum omnes plangite!
諸人よ、私と共に泣くがいい!
<訳:絢>
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O, Fortuna
Cantata "Carmina Burana"
作曲:カール・オルフ、(c)1936
Carl Orff (1895 - 1982)
テキスト:中世のドイツのパヴァリア地方の歌謡より
宗教音楽の現代曲にオルフの「カルミナ・ブラーナ」を選ぶなど噴飯ものだと思いますが、この曲には捨て難い魅力があります。昔は日本ではさほど聞かれなかったそうですが、最近はよく映画などでも使われ、誰もが知っている曲になったと聞いています。
この曲はオスティナートという、同じ旋律を繰り返す特徴ある手法で書かれていて、聞いてすぐオルフとわかる軽快でバーバリックな雰囲気を掻き立てます。さらに、歴史の闇から蘇るようなラテン語の歌詞は、ストラヴィンスキーなどの新古典主義の音楽と共に、映画音楽にも大きな影響を与えたと言われています。
この曲はもともとドイツのパヴァリア(バイエルン)地方の修道僧や放浪学生らの書いた「ボイロンの歌」という原稿から取られています。ボイロンはミュンヘンから約50km南にあるベネデクト派の修道院の名で、そこでこの原曲が発見されたと言います。ブラーナ (Burana) は、ボイロン (Beuron) の読み替えです。また、カルミナ (Carmina) は、「歌」を表すラテン語カルメン (Carmen) の複数形で、文字どおり「ブラーナの歌」となります。
原曲は13世紀ごろから集められていた世俗、宗教曲で、創作の中心となったのはゴリャード (Goliard) と呼ばれる放浪学生たちだったと言われています。そのため内容は現世への赤裸々な執着、特に酒と恋を中心に展開され、奔放な世俗描写も混じっています。オルフはこの中から 24曲を選び、それに新しい曲をつけました。
曲の構成は、始めと終わりにこの「運命の女神」の歌があり、その間に「春」と「酒」と「恋」の歌が挟まれている形になっています。「春」では新しい生命の息吹を天衣無縫に歌い、「酒」の歌では、怒りを吐き出すと同時に世俗の権威を笑い飛ばしたりします。「恋」では生の歓びを謳歌し、恋人の姿に至高の夢を語ろうとします。しかし、その最後には、始めと同じこの「運命の女神」の曲が再現され、これまでの音楽を圧倒する迫力で全曲が閉じられます。
オルフはこの後、「カトゥリ・カルミナ(1942)」「アフロディーテの勝利(1951)」を作曲し、この「カルミナ・ブラーナ」と合わせて「トリオンフィ(勝利)三部作」としました。しかし、この「カルミナ・ブラーナ」が最も聞きやすく分かりやすい曲だと思います。オルフはオペラの分野にも多くの秀作を残しています。特に「月」はドイツ語のテキストで、思わず吹き出してしまうユーモア溢れる作品になっています。また、音楽教育にも力をそそぎ、「オペラを作ろう!」という子供向けの作品や、音楽学院も残しました。
この曲は「世俗カンタータ」と銘打たれ、衣装をつけた寸劇形式で演じられることもあります。打楽器にこだわった一風変わった特別な世界を作り上げていますが、それでいてどの旋律も甘美な魅力と力強さに溢れていると思います。この標題曲だけではなく、全曲がすべてがおすすめです。
(別ブラウザで表示されます)
● Carmina Burana - The Original
[ Carmina Burana Original]
ボイロン修道院で発見された「カルミナ・ブラーナ」のオリジナルを公開している貴重なサイトです。歌詞、楽譜、簡易midi 演奏を聞くことが出来ます。貴重な画像も多く掲載されていますので、興味のある方には絶対オススメのサイトです。(英語)
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