Christmas Gallery
The Nativity
And Adoration Of The Shepherds



 「降誕」「羊飼いの礼賛」

Christmas
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誕、それに続く羊飼いの礼賛の絵画には、やはりいくつかの約束と、図柄が象徴する意味とがあります。

聖書にイエスの降誕が描写されてる部分は2ヶ所、「マタイによる福音書」と「ルカによる福音書」です。このうち詳しく述べられているのは「ルカによる福音書」で、そこには次のような内容が書かれています。

初代のローマ皇帝であるアウグストゥス(オクタビアヌス)により、ローマ帝国の領地、属国の人口調査が始まり、属領であるユダヤでも、人々は郷里に戻って登録せねばならなくなります。ヨセフはすでに聖霊により身ごもっていたマリアを連れ、ナザレの地からベツレヘムに戻ります。この場面は、ベン・ハーという映画(BEN-HUR 1959, MGM)の最初の部分に印象的に描かれています。
宿は満員で、ヨセフたちは家畜小屋(馬小屋)に泊まったことになっています。マリアはそこでイエスを出産します。

降誕の図は、この部分を描いていて、マリア、ヨセフ、イエスの他、牛とロバ、天使に報せを受けてやってきた羊飼いたちも描かれる場合があります。また、場所は家畜小屋がほとんどですが、他に洞窟(外典『ヤコブによる福音書』では、イエスが誕生したのは洞窟となっています)などの場合があります。



Nativity Set
のいろいろ
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また、民間では、人形でその場面を再現した「Nativity Set」なども作られます。

「降誕の図」には色々な種類があり、教義、意義、解釈の違い、また時代、地方の民族的な慣習の違いを反映し、場面設定や登場人物が違ってきます。

ここでは比較的新しい(といっても16-17世紀ですが)絵画を集めてみました。

さて、問題の絵画の意味についてですが、神の子であるイエスが、このように最も貧しい状況で誕生したことは、神が謙譲の模範を示されたものとされていて、そこに登場するのも当時の最も貧しい階層を代表する人々です。幼児イエスは粗末な布で巻かれ、飼葉桶に寝かされた姿で示されるのもその表われです。牛やロバが回りに配置されていますが、これは、生まれた場所が家畜小屋であった、という理由の他、イエスを神として最初に認めたのは、これらの最も低く扱われていた動物たちであったということを表現しています。同時に、牛は異邦人、ロバはユダヤ人を象徴していると言われています。

 

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"The Nativity", 1597
oil on canvas,
Museo del Prado, Madrid
Federico Barocci
(Italian, 1535-1612)

ガレリア・バロッチ
(16世紀、イタリア)
16世紀の終わり近くに描かれた降誕の絵です。誕生したばかりの幼子イエスへ両手を広げる母性的なマリアが中央に置かれ、その背後にはあわてるその家の主人たちの様子が描かれています。ここでも牛が登場しますが、ロバは描かれていません。見ている人が、キリストの誕生を目撃しているかのように思わせる、斬新な構成になっています。
 



"The Annunciation to the Shepherds", 1533
oil on canvas
Belvoir Castle at Leicestershire, England
Jacopo Bassano
(Italian, approx. 1510-1592)

「降誕の御報らせ」
ジャコポ・バッサノ
(16世紀、イタリア)
天使が降り来たって、主の降誕を羊飼いへ報せた瞬間を描いたものです。
天使に気づいたのは、まだ左右に位置する羊飼いだけで、あとの者は日常の生活を続けている最中です。「普通の宵」が「特別な宵」に変化する瞬間をうまく捉えた画面になっています。
この絵では、羊飼いたちは単なる集団ではなく、それぞれの個性を持ち、自分たちの生活を語り始めているのにも注目できると思います。16世紀に入るとイタリア絵画は劇的な表現に加え、リアリティが追求されるようになったようです。この絵はそれを端的に表していて、それが逆に、天から降り来た天使の告知に真実味を加えているのではないでしょうか。



Adoration of the Shepherds
copper, Mus馥 du Louvre, Paris
Giovanni Benedetto Castiglione
(Italian, approx. 1610-1665)


「羊飼いの礼賛」 NEW!!(12/14)
ジョヴァンニ・カスティグローネ
(17世紀、イタリア)
カスティグローネはギリシア神話や、宗教画を得意とした画家で、美しい劇的な構図で知られています。そのリアリティ溢れた表現は、この絵の中でも際立っています。鮮やかな色彩で描かれた、美しい聖母子とヴィーナスのような天使たち、誕生を喜ぶ羊飼いたちは、まるでギリシア神話の世界にいるような錯覚まで呼び起こします。
 


"Adoration of the Shepherds", 1690
Mus馥 du Louvre, Paris
Charles Le Brun
(French, 1619-1690)

「羊飼いたちの礼賛」
シャルレ・ル・ブロン
(17世紀、フランス)
羊飼いたちの礼賛を描いたこの大作は、ブロン晩年の作品ですが、当時の民間のキリスト教信仰の集大成になっています。

画面の下に輝く御子とマリア、その光は画面の上に描かれた天上の輝きと響き合っています。頭上には智天使ケルビムが舞い、セラフィム、ドミニオン、プリンシピリティなど、あらゆる階級の天使たちが、イエスの生誕を祝っています。(それを見ることができるのは聖母マリアただ一人です)

地上では、羊飼いたちが、畏れと喜び、好奇心を、活気溢れる表情で見せています。数名の天使たちも群衆に混じり聖母子を見守っています。その間には、やはり牛とロバも登場して、天と地こぞってイエスの降誕を祝い、喜びに満ちている様子が描かれた絵になっています。

この絵は、民衆にとり非常に分かりやすい形で降誕の瞬間を描いた傑作でしょう。民間の信者が一番愛したものは、こうした表現の絵だったと思われます。


<絵画選択&コメント: 絢>
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