Christmas Gallery
The Holy Family


 「聖家族」「聖母子像」

Christmas
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母子像と聖家族の絵画は、キリスト教を信仰する人々が、最も愛して止まない永遠のテーマです。「聖母子像」は、イエスと聖母マリアに対する信仰が結晶となり、また「聖家族 (Holy Family」は、仲睦まじく暮らす家族の姿と、信仰とが重なり合う接点でもあります。

これらの絵画は、教会や民間の飾り絵として、多くの画家たちによって描かれてきました。というより、こうした題材を描くことが画家の大切な仕事であったと表現する方が正しいでしょう。

ここでは、その中から何人かの代表的な画家を選んで、その作品を集めました。素晴らしい芸術家ばかりで、すでにみなさんよくご存知の絵ばかりだと思います。

クリスマスの近づく宵に、この素晴らしい作品の数々をもう一度楽しんでいただきたいと思います。

 

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"Virgin of the Rocks", 1483
Mus馥 du Louvre, Paris
Leonald da Vinci
(Itlian, 1452-1519)

「岩窟の聖母」
レオナルド・ダ・ヴィンチ
(15世紀、イタリア)
この絵は、荒野へ向かう幼い洗礼者ヨハネ(左)と、エジプトから帰還したイエス(右)との出会いを伝える、中世伝説による構図です。この二人の出会いを描いた作品は沢山残されていて、以下にあげるラファエロなどのものもその内容になっています。
背景は荒涼とした岩が点在し、現実を超越した神秘的な雰囲気を導いて、レオナルドの着想の素晴らしさ感じます。聖ヨハネ、イエス、天使を、聖母マリアを中心にしたピラミッドの形に配置し、この最も神聖な出会いの、緊張と感動を伝えてくれます。
なお、レオナルドの友人であるアンブロージョ・デ・プレーディスによるこの絵の模写も存在し、それは現在ロンドンにあるということです。
 



"Virgin & Child with St. Anne & John the Baptist (The Cartoon with St. Anne)"
National Gallery, London
Leonald da Vinci
(Itlian, 1452-1519)

「聖アンナ三体のための下絵」
レオナルド・ダ・ヴィンチ
(15世紀、イタリア)
この作品は、聖母の母と聖母子を描いた「聖アンナ三体」といわれるものです。素描でありながら、その表現の素晴らしさには、心底圧倒されてしまいます。ミケランジェロはこれを見て、「確かに素晴らしい。しかし、本当に完成できるのか?」と呟いたと伝えられています。その呟きの通り、レオナルドはこれを完成することはありませんでした。「三王礼拝の図」と同じく、未完成のままレオナルドは次の仕事に移ります。それは、ミケランジェロの言葉の裏にあるように、下絵自体があまりにも完成度が高く、もはやそれ以上手を加えることが出来なかった、と後世の美術史家は述べています。
 



"Virgin & Child with St. Anne"
Mus馥 du Louvre, Paris
Leonald da Vinci
(Itlian, 1452-1519)

「聖アンナと聖母子」
レオナルド・ダ・ヴィンチ
(15世紀、イタリア)
各地を旅するレオナルドが、いつもすぐ傍において離さない作品がありました。それがこの「聖アンナと聖母子」の絵だったといいます。テーマとしては上の下絵と同じです。レオナルドは最後までこの作品に手を加え続けました。今ではこの作品は、「モナリザ」や「洗礼者ヨハネ」と並んで、レオナルドの芸術の頂点を示すものとされています。
聖母マリアは、羊にまたがろうとするイエスを、優しく止めようとしています。振り返った幼いイエスの顔は、マリアの止める理由をその表情に求めています。そして、聖アンナは、そのすべてを微笑みながら見つめています。
これは一瞬の出来事です。その中にレオナルドはすべてを描き込みました。愛情、気高さ、そして、平和。モナ・リザを彷彿とさせる聖アンナの微笑みは、あらゆるものを超越した深みがあります。背景の美しさも、現実の遥か奥に広がる牧歌的風景です。その中に、聖母マリアとイエスの一瞬の動きが凝縮されています。
最後まで止まらなかったレオナルドの筆が、何を求めていたのか、遠い時代に生きる私たちにも伝わってくるように思います。
 



"The Sistine Madonna", 1513-14
oil on canvas
Staatliche Kunstsammlungen at Dresden, Germany
Raffaello Santi(Sanzio)
(Italian, 1483-1520)

「システナの聖母」
ラファエロ
(16世紀、イタリア)

数あるラファエロの聖母像の中でも、最も有名な作品のひとつ、「システナの聖母」です。ラファエロは、法皇レオ10世の寵愛を受け、多くの宗教画を残しました。
 



"Madonna della Sedia", approx. 1518
oil on canvas
Galleria Palatina at Florence
Raffaello Santi(Sanzio)
(Italian, 1483-1520)

「セディアの聖母」
ラファエロ
(16世紀、イタリア)
ラファエロの才能が素晴らしい輝きを見せた作品と言われています。この絵の表現にレオナルドの影響を見る人もいます。事実ラファエロは、若い頃レオナルドを訪問し、親しく話す機会がありました。レオナルドは、すぐさまこの若い画家の才能を見抜き、「あの若者は世界の真理のすべてを描く画家になるだろう」と話したいいます。レオナルドはよほどラファエロを気に入ったのでしょう、決して人には見せないある絵をラファエロに見せています。絵の前で棒立ちになっているラファエロにレオナルドが、「何も言ってくれないんですか?」と尋ねると、ラファエロはただ涙を浮かべた目をレオナルドへ向けただけでした。その絵は「モナ・リザ」として現代に伝わっています。
この聖母の表情の中に、レオナルドの筆致の、かすかなぬくもりを感じることは不可能ではないでしょう。芸術はきっとこのようにして伝えられてゆくのだと思います。
 



"The Holy Family", 1640
oil on canvas

Rembrandt
(Dutch, 1606-1669)

「聖家族」
レンブラント
(17世紀、オランダ)
一世紀時代が下ると、素晴らしい画家が登場して、それまでの絵画の伝統を大きく発展させることがあると言われます。このレンブラントは紛れもなくそうした天才の一人だと思います。この「光と影の魔術師」は、明暗の世界に、光だけではなく、生命や個性まで描き込みました。この「聖家族」の絵は、これまでの宗教画には決してなかったものがあります。それは実在感、人格と言っていいものでしょう。ヨセフやマリアの人格を感じ取れる宗教画は、この絵まで現れなかったのではないかと思います。
そして、それは場面全体の中で、強い何かを語り掛けてくるように思います。
この絵が「聖なるもの」を訴えるのは上部の空間です。その空間の深みに何を見るかは、私たちに委ねられています。
 



"Song of the Angels", 1880
oil on canvas
Museum at Forest-Lawn Memorial-Park, Glendale
William-Adolphe Bouguereau
(French, 1825-1905)

「天使の歌」
ウィリアム・アドルフ・ボーグロー
(19世紀、フランス)
ここからはがらりと変わって、19世紀のフランスの画家、ボーグローの絵をまた見ていただきます。ボーグローは19世紀後半に活躍した多くの画家と同じように、自分の絵の題材について細かく取材をし、膨大な量の習作を作成し、それから始めて画架に向かいました。
彼は神話、宗教画、特に天使、キューピッドなどの絵を数多く描いています。また子供たちも多く描き、その美しい筆致の裏に、この画家の美への情熱を感じ取ることが出来ます。
色彩、構図、すべて見事に仕上げられていますが、レオナルドやレンブラントに見られた、深い思想は可能な限り遠ざけられ、それがボーグローの個性でもあり、また限界でもあったと思います。
以下、三点をご紹介致します。
 



"The Virgin with Angels", 1900
oil on canvas
Mus馥 du Petit Palais at Paris
William-Adolphe Bouguereau
(French, 1825-1905)

「聖母と天使たち」
ウィリアム・アドルフ・ボーグロー
(19世紀、フランス)
 



"The Madonna with the Roses", 1903
oil on canvas
William-Adolphe Bouguereau
(French, 1825-1905)

「バラのある聖母像」
ウィリアム・アドルフ・ボーグロー
(20世紀、フランス)
 



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