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  Pastorale
"Concerto grosso 'Christmas Concerto'"

「パストラーレ」 (コレルリ「クリスマス協奏曲」より)





memo

Pastorale from 'Christmas Concerto'

作曲:アルカンジェロ・コレルリ
    Arcangello Corelli (1653-1713)
    合奏協奏曲「クリスマス協奏曲」ト短調作品6の8第三楽章より

コレルリの「クリスマス協奏曲」を「クリスマス音楽」ではなく「宗教音楽」のジャンルに入れるのは少しおかしいかもしれません。とは言っても、「アヴェ・マリア」や「ハレルヤ・コーラス」とは別のジャンル分けが必要でしょうし、さらにこの曲は音楽史的にも大切な位置づけがなされているので、思い切ってこのジャンルに入れることにしました。

この協奏曲のオリジナル・スコアには、作曲者自らの手で「クリスマスの夜のために作った (Fatto per la notte di natale)」と記されています。'natale' はフランス語の Noel、英語の natal と同じく「誕生」を表す語で、ここではイエスの降誕日つまりクリスマスを意味しています。

当時この曲は、クリスマスに教会の真夜中のミサの直前や、(おそらくは)ローマ教皇のクリスマス・イヴの晩餐の際に演奏されていたのだろうと言われています。いわば「生粋」のクリスマス音楽と言ってもいいでしょう。

「生粋」と書きましたが、構成ひとつとっても多くの典型的な要素を含んでいると思います。この作品には複数(9つほど)の主題が現れますが、それらは性格も雰囲気も対照的で、あるものは敬虔であり、またあるものは生き生きしていたり、陽気だったり、力強かったりします。それらはまるで、東方の三博士、羊飼いたち、農民たち、子羊たちを思わせ、それぞれが絡み合う合奏は、あたかも羊飼いや三博士がイエスの周りに集っている様子を音楽に引き写したかのようです。

この「パストラーレ(田園歌)」は第三楽章のおしまいに登場します。子供たちの踊りを思わせる元気あふれる曲調から引き続き、幼子イエスをあやすようなリズムと叙情詩を思わせるメロディーが始まります。それは、まるで音楽で表現されたイエス降誕の場面のようです。

コレルリは17,8世紀に活躍したイタリアの作曲家、ヴァイオリニストです。彼は近代ヴァイオリン奏法を確立したとされ、さらにこの「協奏曲」に見るようないわゆる「コンチェルト‐グロッソ (Concert Grosso: 合奏協奏曲)」の形式を完成した人物として知られています。

合奏協奏曲は、楽器をいくつかの異なったグループに分けることで、オーケストラの色合い効果をより豊かにしようとするもので、コレルリをはじめ、17世紀のイタリアの作曲家たちによってさまざまに工夫されてきたものです。

コンチェルト・グロッソ、リピエーノ、コンチェルティーノという言葉はこの工夫の中から生まれてきました。後に、こうした音色の異なる楽器群を意識した合奏全体を、大きく「合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)」と呼ぶようになったと言われています。

コレルリは、合奏を小規模(コンチェルティーノ)、大規模(リピエーノ)の二つの規模に分け、その構成を、前者は「二つのヴァイオリン、一つのチェロ」、後者は「第1、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、チェンバロなど」としました。この形式が後の合奏協奏曲に大きな影響を与えたと言われています。



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