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Pie Jesu ("Requiem")
「ああ、イエズスよ」
(フォーレ「レクイエム」より)
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Soprano solo
Pie Jesu, Domine, dona eis requiem
dona eis requiem sempiternam requiem
憐れみ深き、イエズスよ
彼らに安らぎを与え給え
<訳:絢>

Pie Jesu
作曲:ガブリエル・フォーレ、1886-7
Gabriel Fauré(1845-1924)
「レクイエム」第4曲
この曲は、フランスの作曲家フォーレが1886年から翌年にかけて作曲した「死者のためのミサ曲」の第4曲です。フォーレのレクイエムについてはよくご存知だと思いますが、俗に「もっとも美しいレクイエム」と呼ばれていて、終始調和に満ちた清らかな旋律が続きます。
たとえば、「レクイエム」には「最後の審判」を描く「怒りの日(Dies Ire)」という部分があります。死者がよみがえり、神の審判が下されて世界が終わる場面を描写した曲です。多くの作曲家はこの「怒りの日」に力を注ぎ、大編成のオーケストラを駆使して、最も激しい劇的な音楽を書いています。この意味での代表的な作品としては、ヴェルディの「レクイエム」があげられると思います。
ところが、フォーレの「レクイエム」では、そのような打楽器や金管楽器の荒々しい咆哮など一切ありません。「怒りの日」(この曲ではありません)の旋律は、輝かしい調和へ受け継がれ、死者を悼む悲しさまでが旋律の階梯を高く昇りながら消えて行きます。それはまるで、魂すべてが浄化され、歓びの中に溶け込んで行くようです。一体この透明な美しさはどこから来るのでしょう。
フォーレは作曲の前年に父親を、そしてほどなく母親も亡くしました。「レクイエム」作曲を含む数年間は、フォーレにとって深く「死」と対峙した数年だったはずです。この「レクイエム」が私たちの心を捉えるのは、単に美しいからではないと思います。静かな、抑えたその曲調の中に、フォーレの燃え立つような祈りが織り込まれているからではないでしょうか。
フォーレは、サン=サーンスにピアノと作曲法を学び、多くの歌曲、ピアノ曲、劇場音楽を作曲しました。

フォーレのピアノ曲から:
「ロマンス三番」Romance without words no. 3.
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